志茂田典子先生のご紹介

季節ごとに違う不調を上手く乗り切るため、体やお肌のケアについて一緒に勉強していきましょう。今回は、女性の心理・生理・文化について研究をされておられる、志茂田典子先生にお話しをうかがっています。
志茂田 典子先生プロフィール
東京福祉大学・武蔵野大学講師
AR乃木坂鍼療室院長
主な研究内容
  • 女性の月経周期における痛覚変化
  • 月経周期の情動に及ぼす香りの生理心理的影響
  • 女性の心身相関と月経周期との関連
  • 鍼灸の中枢神経系・自律神経系への影響ほか
主な著書
  • 月経らくらく講座(共著)(文光堂)
  • 江戸城大奥―権力と愛憎の女たち(ぶんか社)
  • 人物事典 江戸城大奥の女たち(新人物往来社)ほか

梅雨時期のジメジメ不調の原因と症状

湿度が高くて、ちょっと動くと汗をかくのに、手先足先、おなかやおしりなど意外に冷たくなっていることがありませんか?冷えは万病のもと、 病気の一歩手前の状態だと思ってください。今回はこの梅雨時の不調を上手く乗り切る方法をうかがいました。

梅雨は水はけが悪くて不調の時期!

梅雨時の湿気のことを、東洋医学では「湿邪」と呼びます。雨に濡れたままでいたり、湿気の多いところに長くいると、湿邪が身体に入ってきやすくなります。その特徴は、重く、粘っこく、水の流れのように下へ下がるということ。そのため体内のあちこちで流れの停滞が起こり、さまざまな症状が現れます。特に、消化吸収に関係する「脾」という臓器に影響が強く現れます。
梅雨の時期に現れる主な症状
  • 体全体が重だるい
  • 手足腰が重だるい
  • むくみやすい
  • 頭が重い
  • 関節が痛む
  • 尿が少なくなる
  • 便がゆるくなるが、すっきり排便しない
  • おりものが増える
  • 手術などの古傷が痛む
  • この時期になると体重が増える

あなたはどのタイプ?不調の原因『湿気』と『冷え』にご注意!

 甘いもの・冷たいもの大好きさん
蒸し暑くなると、やたらとアイスクリームやシェイクなど甘くて冷たいものが欲しくなるあなた。冷えすぎることによって胃腸の動きが鈍くなる上に、甘いものは、脾の働きに影響します。おまけに湿邪の影響で、吸収力も低下し、なんとなくもたれ気味。水分代謝の力も落ちるので、尿も大便もすっきり出なくてお腹はパンパン。急に腹痛を起こすこともあります。
 もともと胃腸の働きが軟弱な人
おなかでチャポチャポ、水の音がしませんか?もともと胃腸の働きが軟弱なタイプ、身体が冷えやすい人は、この時期、温かいお茶を飲んでも水分が溜まりやすい状態にあります。エアコンのおかげで湿度が低くなるため、のどが乾きやすくなり、その結果、ついつい飲みすぎることに。水分の摂りすぎに注意しましょう。
 ついつい食べすぎる人
季節に関わらず、揚げ物、炒め物、ビールが大好きというあなた。暴飲暴食、脂っこいものは、ますます脾の働きを弱めます。
 クーラーで手足が冷えやすい人
冷房のあたり過ぎや寝ている間の冷えに注意。湿度の高いなか、冷房をつけたままで寝て翌日からだがだるいとか、汗をかいた後に手足を冷やしてしまうと四肢が重だるくなります。ひどくなると筋肉が痙攣して、足がつることも。暑くても、パジャマのズボンは7分丈くらいに。せめてタオルケット1枚でもかけてお休み下さい。冷房病は、頭・首・肩こりの痛み、お腹の冷え、月経不順・月経痛痛、膀胱炎などの原因にもなります。エアコンの設定温度は外気温との差を2~5℃以内に。この時期なら、冷房ではなく、ドライにするだけで十分。タイマーをうまく使って、寝入りばなを気持ち良く過ごしましょう。

梅雨時期のジメジメ不調を乗り切るには!

梅雨時のジメジメ不調を乗り切る対策!

 水分代謝を良くするには!
ハトムギ、小豆、緑豆は水分代謝をよくします。また、ショウガ、ネギは脾胃を温めて、発汗を促します。緑豆はビーフンでもOK。
 お風呂でスッキリ!
ちょっと熱めの湯(40~41℃)で、汗をかいてスッキリしましょう。アカスリもオススメです。2~3回湯船に出たり入ったりを繰り返すと、軽く擦るだけでポロポロとアカが出やすくなり、文字通り一皮むけたようにスッキリ。身体も気分もカル~くなります。ボディソープを使う場合は、アカスリをした後で。
 積極的に体を動かして!
この時期のポイントは、軽く汗をかくようにすること。室内でもできる水泳、ヨガ、ストレッチなどで、身体をすみずみまで伸び伸びと動かしましょう。動きと呼吸を合わせるようにするのがコツ。
 一日三回ツボ刺激!
ちょっと一息ついたとき、テレビを見ながら、お風呂に入っているときなど、自分でもかんたんに押せるツボのご紹介です。「6秒押して、4秒力を抜く、を1分間×1日3回」。脾胃の働きを高め、からだに活力を与えましょう!

 足三里(あしさんり)

膝下から指幅4本(人さし指・中指・薬指・小指をそろえて、膝下にそえてみてください)さがったところにあります。胃腸の症状に効果のあるツボです。

 三陰交(さんいんこう)

内くるぶしの上端から指幅4本分上がった(人さし指・中指・薬指 ・小指をそろえた上)ところにあります。 「からだの冷え」「月経不順」に効果のあるツボです。

寝苦しい夜も上手に睡眠!

日本の気候が亜熱帯化しているといわれていますが、さもありなんと思いたくなるほど、蒸し蒸しジメジメ。 そして夕立というにはあまりに激しい、まるでスコールのような雨…。とても冷房なしでは、やっていけません。 とはいえ、冷房の効いた室内と屋外の温度差で体はバテバテ、せめて寝るときくらいは冷房を切ってと思いたいけれど、それじゃ寝苦しくて寝つけないし、夜中に何度も目がさめてしまう。 そんなわけで朝からぐったり、食欲もなし。夏バテまっしぐらです。今回は、上手に眠りにつくコツなどをうかがいました。

眠りのための工夫で夏バテ解消!

まずは、一日中クーラーで冷やされた疲れを取りましょう。それには、やっぱりお風呂が一番。暑いからとシャワーだけで済ませていては、だるさはとれません。毎日は無理という人も、だるさや変調を感じ始めたら、せめて週1回だけでも湯船に浸かるようにしましょう。お湯の温度は、体温よりちょっと高めの38℃~39℃に。これなら、出たあとダラダラ汗をかくこともありません。
ここでの必須アイテムは、ミント系の香りの夏用入浴剤。ミントは、肌に付いて表面の皮膚温度を下げるだけでなく、香りを嗅ぐだけでも体感温度を下げる働きがあります。これで、体の芯はほどよく温まり、でも表の皮膚はスースー、サラっ。そして、のんびり湯船に浸かりながら、ツボ押ししましょう。
寝るときには、クーラーを使う前に、枕に保冷剤を添えてみて。頭が冷えるだけでも、以外と気持ちよく寝つけます。保冷剤はカチカチにならないソフトタイプがおすすめです。

食事の工夫で夏バテ解消!

土用の丑の日にうなぎを食べて夏バテ解消!もいいんですが・・・中国産うなぎの問題が国産ものの高騰をまねき、うなぎやさんのうな重にはなかなか手が出せなくなってしまいました。
まあ食欲の無い時にむりに精力をつけよう!と頑張るよりも、サッパリと良質のたんぱく質を摂取できお腹にも優しいのが豆腐。ネギ、ミョウガ、青紫蘇、鰹節、ゴマ、キムチなど好みの薬味を添えてサッパリいただける「冷奴」は、夏の食卓の強い味方です。でもここに絶対プラスしてほしい薬味が『しょうが』です。ついつい冷たいものばかりになってしまいがちな体を中から温めてくれます。
ついでにもう一品手抜き料理を!インスタント味噌汁で作る「きゅうりの冷汁」。具が少ない安いインスタント味噌汁でいいんです。お湯の量をいつもの半分にしてまずあたたかな味噌汁を作り、氷を入れて冷やします。そして、きゅうりの千切り(せん切り器を使うと便利)をたっぷり入れます。ゴマ、青紫蘇の千切りやミョウガ、しょうがなどお好みの薬味も加えてみてください。キムチを入れれば、冷やしチゲに。ここに残り物のご飯を入れたり、そうめんやうどんを入れたり、つけたりして食べてもgoo!
キッチンで火を使うと即、汗ダラダラ・・・料理する気になれないわぁ~~とお嘆きのみなさんも、これくらいならできるかしら?

クーラーでバランスを崩した神経を調節自律するツボ

 手のつぼ

いずれも反対側の手の親指で、ゆっくり20秒間もみほぐす。手をかえてまた20秒。これを3回繰り返す。

 労宮(ろうきゅう)

手のひらで親指のつけ根あたりで、軽く手を握って中指が当たるところ。

 合谷(ごうごく)

手の甲で、人差し指と親指を閉じたときにできるシワの端で、少し盛り上がったところ。
足のつぼ

斜め坐りになって、げんこつの先でゴリゴリ強めに刺激します。竹踏みやイボイボマットを踏んだり、ツボ押し棒などで刺激してもOK。20秒ゴリゴリしたら、足をかえてまた20秒。これを3回繰り返す。

 失眠(しつみん)

足の裏でかかとの真ん中。不眠症、自律神経の調整、踵のカサカサ・ひび割れにも効果的。

 湧泉(ゆうせん)

足の裏で、足の指を曲げてできる凹みのところ足がほてって眠れないときにも効果的。

冬を目前に!夏からの疲れを持ちこさないで!

晩秋から初冬にかけては、いよいよ寒さが厳しくなってくる時期です。ちょっと前まで夏バテダァ~~(-_-;)なんて嘆いていた方は、まだなんとなく疲れが残っていませんか? このままでは紫外線やストレスでダメージをうけていたお肌が、冬の乾燥で一層カサカサになってしまいます。
また、冷え性の方にとっては、夜お布団の中でも靴下を履きたいほど末端が冷たーくなって、つらい季節ですね。 手足だけでなく、お腹もつめたいお尻も冷たい。 というわけで、今回は冬に向かっての体やお肌のケア、またアロマテラピーについても、お話しをうかがいました。 たまった老廃物を排出するデトックスのツボ、お肌スベスベの秘訣、冷え性/腹痛/生理痛対策としてのワンポイントもぜひ覚えて、毎日少しずつでも、体をいたわりたいですね。 心も体も温まる方法を一緒に勉強してみましょう。

冬に向かっての準備期間、たまった老廃物をとる!

今年の夏はきちんと汗をかけましたか?汗がかけたかどうかが、秋の体調やお肌に影響するとしたら?もう遅いよなんていわないで。
まだ間に合います!
老廃物の排出するためには、腎臓の働きを活性にしましょう。腎臓は尿を作り出す臓器で、尿中の老廃物を濾過する働きもあります。この働きが低下すると、尿がうまく排泄されず、むくみや冷えの原因となります。 夏にあまり汗をかくことがなかった人は、秋の軽い運動がオススメ。お散歩もいいですね。天候が安定しやすいこの時期には、学園祭やスポーツイベント、展覧会など、いろいろな行事が続きます。ただし、あんまり動きすぎて陽気を発散しすぎると、冬になって冷えやすくなります。何事もホドホドに。汗をかいたらすぐ拭くようにしましょう。濡れたままでいると、身体を冷やすもと。
東洋医学では、秋は肺がよく働く時期と考えます。夏の間に汗をあまりかかず、うまく発散できなかった熱が、秋になると肺を乾燥させ咳を呼びます。この時期、コンコン乾いた咳をしている人、結構みられますよね?同時に肺が関係している皮膚も乾燥しやすくなりますから、いつも以上にお手入れが必要です。

 太谿+湧泉
3秒間隔で押したり弛めたりの刺激を交互に1分間。

 太谿(たいけい)

内側のくるぶしの下から後方に少しずらしたところのアキレス腱の間のくぼみです。太谿は湧泉からわき出た腎経の生命エネルギーが注がれるといわれるツボです。腎臓の機能が低下すると疲れやすくなったり、肌がくすんだりします。足首を手のひらで包むようにしながら親指で指圧します。

 湧泉(ゆうせん)

湧泉は、体力や気力を高めて体全体を元気にする万能のツボで、 踏まずのやや上の中央、足の指を曲げてへこんだ所にあります。両手の親指の先を使って強く押し揉みます。
 労宮+湧泉+腎兪の組み合わせ
3分間じ~っと坐っていればOK。

 労宮(ろうきゅう)

手の平の中心。手を握ったときに中指が手の平に当たる場所です。

 腎兪(じんゆ)

肋骨の下を結んだ線上で、背骨から左右指2本分のところ。背中の筋肉の盛り上がったところにあります。
【やり方】あぐらをかくように坐ります。あるいは、イスに座って片方の足だけを下ろした姿勢をとります。

  1. まず、両手を温かくなるまでよく擦って、右手の労宮を左足の湧泉に当てます(足の裏をつかむ感じ)。

  2. 同時に左手の労宮を左の腎兪(じんゆ)に当てて、3分間じ~っと坐っていてください。

 腎臓(じんぞう)のゾーン
1分間おしたりもんだり。

 腎臓(じんぞう)のゾーン

土踏まず全体が腎臓のゾーン。押し揉むことで腎臓の働きが活発になり老廃物を排泄されやすくします。1分間おしたりもんだりしましょう。

スベスベお肌を取り戻すには!

女性にとって肌の潤いを保つことは、とっても大切!顔の肌はとてもデリケートなので睡眠不足や疲労、ストレスなどですぐに顔に艶や張りがなくなり、くすんだ肌になってしまいます。
パックをするなら
夏の、浮いた皮脂をとるようなタイプのパックではなく、保湿中心のタイプに。洗顔料はあまり皮脂を落としすぎないものを。化粧水も、夏のサッパリ系から、秋はしっとり系に。入浴剤は柑橘系の香りがオススメ。血液循環をいっそう促してくれます。
肌をきれいにするには
からだの中からきれいにしましょう。からだの内側から温める生姜が見直され、今ブームの生姜紅茶!その他にも生姜葛湯、はちみつ生姜湯など、体の芯から温まりますね。生姜は、お鮨のガリやしょうが焼き、中華料理に!と、食べ方もいろいろ。ニラやねぎも、体を温める効果があります。

アロママッサージ

身体にも心にもストレスは大敵ですが、ストレス解消や下半身痩せに効果のあるアロママッサージは、自分の好きな香りで心地よく行う事が大切です。アロマオイルの成分を直接肌から取り込むと、皮膚を刺激し、筋肉の緊張を和らげる事で、滞ったリンパや血流の流れを促します。香りと肌に触れることの相乗効果で深くリラックスでき、心身ともに癒されます。
身近な方と、ペアでマッサージ出来るようになると便利ですね。
アロママッサージに使うオイルは、すでに目的別にブレンドされたものがあり保存も便利ですが、自分でブレンドすることもできます。キャリアオイル(グレープシードオイルなど)5mlに2滴以内の割合で好みのエッセンシャルオイルを垂らしてよく混ぜて使います。アロママッサージは体が温まったお風呂上りに行うのが効果的。湯冷めしないように部屋を暖かくするなどの工夫も必要です。
マッサージといっても、難しく考えないで。普通にやさしくオイルを塗りこむ感じで充分です。ただし、オイルがつくと変色するので、タオルやシーツ、バスローブなどは汚れてもよいものを用意しましょう。マッサージの後の余分なオイルは必ずペーパータオルでふき取ってください。自分で作ったオイルは、3日以内に使い切るようにしましょう。それ以上おいておくと、匂いが変質してきます。オイルは可燃性ですので、ごみ箱に捨てる際には注意してください。
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